幼児期の子どもたちは、家庭環境や生活経験の違いによって、心や体の発達に大きな差異や特性を持っています。
そのため、私たちはひとりひとりの子どもとの「心の出会い」を大切にしながら信頼関係を築き、ひとりひとりの発達の特性を理解し、それに合った適切な関わりを行っています。

子どもたちにとって、毎日の生活が楽しさや喜びに満ちていることは非常に重要です。
楽しさや喜びに満ちた生活は、子どもたちに充実感や満足感を与えるだけでなく、挫折感や葛藤を乗り越える力を育て、物事に積極的に取り組む意欲に繋がります。
また、他者への思いやりや相手の気持ちを受け入れる心の安定感を育みます。
そのため、私たちの幼稚園では、子どもたちが多くの楽しみや喜びを経験できる場を提供しています。

幼稚園では、毎日の遊びを中心とした生活を通じて、子どもたちが友だちと関わり、一緒に遊ぶことの楽しさや喜びを体験するだけでなく、時には怒りや悲しみ、寂しさといった感情も実際に経験しながら、仲良くすることや他者への思いやりを育んでいきます。
幼稚園では、子どもたちが自分を表現し、友だちの気持ちに気づくなどを実際に経験できるよう、ひとりひとりの気持ちに寄り添いながら丁寧に関わっていきます。

幼児期の心身の成長は感動的な変化があります。入園時の3歳の頃には体は小さくできることも限定的ですが、卒園時には立派に成長し、自信に満ちた姿に変わります。体格も大きくなり、動きもより器用になり、態度や感情、理性などの心の内面も深まっていきます。
健やかな心身の成長のためには、幼児期に適した活動や経験、適切なサポートが必要です。
幼稚園では、入園から卒園までの過程を見据え、子どもたちの成長に合った生活や環境を整え、援助を行っています。

私たちは幼児期の教育を、子どもたちが「自立に向かって成長する手助け」だと考えています。
年齢に応じて、「自分のことは自分でできる」という自立した気持ちを抱き、適切な生活習慣や場にふさわしい態度を身につけていくことが重要だと信じています。
幼稚園の毎日の生活の中で、ルールを守ったり、他の人の立場を考えたり、異なる意見を理解することを学んだり、集団生活の中でさまざまな経験を通して、思いやりの心を育てていきます。

幼稚園は家庭と共に「子育て」のパートナーであると考えます。
子どもの生活は年齢とともに家庭から近所、幼稚園へと広がり、連続性を持っていますが、それでも家庭が中心であり続けます。
そのため、私たちは家庭との連携を重視し、お互いの立場から「子育て」について考え、話し合い、共通理解を得た上で、目標に向かってそれぞれが役割を果たすことが特に大切だと考えます。

図鑑や映像で見ることと自然の中で実際に触れることでは、感じ方が全く違います。
特に幼児期は、直接触れ合うことで物の大きさや形、不思議さに気づくことがとても重要だと考えます。
そこで、幼稚園ではうさぎやインコを観察したりお世話をしたり、畑で野菜を育てたり収穫したり、季節の果物の変化を見守るなど、日常の中で自然に触れ合う機会を大切にしています。
これによって、子どもたちの興味や関心が育まれ、自然に対する理解が深まります。